市川市や近隣地域には「古い名義のまま放置された不動産」が増え続けています。
市川市は古くからの住宅地も多く、
・祖父母名義のままや亡くなった親名義のままである。
・相続人が市外、県外など全国に散らばっている。
・高齢化や高齢者の単身世帯の増加が進み不動産の管理が難しくなっている。
といったケースが非常に多い地域です。
古い名義のまま放置することは次のようなリスクがあります。
・不動産の売却や有効活用ができない。
・いわゆる「負け動産」となり、不動産の価値が下がる。
・固定資産税などの維持費の支出が続きコストの負担が解消されない。
・空き家となることで、老朽化による近隣トラブルを発生させるおそれがある。
・相続による名義変更を行いたくても、相続人が二世代・三世代に増えているため、
相続人調査や相続人の合意が極めて困難になる。
古い名義のまま放置することで、その不動産はいわゆる所有者不明の不動産となります。そして、所有者不明土地については、令和5年度の段階で全体の約26%にまでのぼるとされています。
そして、そのような状態を解消すべく「相続登記の申請義務化」が開始しています。
相続登記の申請義務化
令和6年4月1日より、不動産登記において、相続を原因とする不動産の権利の移転の登記すなわち「相続登記」が義務となりました。いわゆる「登記」というのは、不動産に対して現に有している権利を公に示すことが目的であり、それまでその権利の登記をするか否かは原則として任意とされてきました。
しかしながら、任意にしていたがゆえに、登記簿からは実際の所有者がわからないという上記の所有者不明の不動産や空き家が増えたため、その登記の申請を義務としたのがこの法改正となります。
概略を説明すると、令和7年4月1日以降、相続等により不動産を取得した相続人は、自分のため相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければならず、また、遺産分割により不動産を取得した相続人についても、遺産分割の日から3年以内に相続登記を申請しなければならないとされています。
例えば、不動産の名義人が死亡した場合、その相続人はその日から3年以内に相続登記の申請を行う必要があるということです。
他方、令和6年4月1日より前に発生している相続についても、その日から3年の間に相続登記をしなければならないとされています。現在、令和8年1月なので、令和6年4月1日よりも前に相続が発生しているにも関わらず、いまだ相続登記をしていない方の場合には、残り14か月すなわち1年少しで猶予期間が迫っているということになります。
では、猶予期間内に相続登記の申請を行っていなかった場合にはどうなるのでしょう。
仮に、登記官の調査確認により義務違反が発覚した場合、登記官から登記の申請を促す催告が出されます。そして、正当な理由なくその催告に従わなかった場合には、10万円以下の過料(行政罰)の対象となります。
このように、相続登記をしていないからといいって即時に過料が課されるわけではなく、また登記を申請できないことについて正当な理由、例えば申請義務者が重病である、経済的困窮者であるなどのいくつかの要件に該当する事情が認められれば、ペナルティを負うことはありません。
しかしながら、相続登記を申請しなければ、その不動産を売却処分したり有効活用することはできないので上述のとおりです。依然として税務的なコストを抱え、また相続人の全員が所有者としての管理義務を負うこととなり、不動産から生じるトラブルに対応し続けることになります。
それゆえ、相続により引き継いできた不動産が古い名義のままである方はぜひとも不動産登記の専門家である司法書士にご相談下さい。
司法書士燦リーフ合同事務所は、不動産の相続登記はもちろん、そのため必要な相続人の戸籍調査やその他の財産調査、遺産分割協議書の作成など、相続手続全般のお手伝いが可能です。こころあたりのある方はぜひお気軽にご相談ください。

